辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 周囲の草の茂みを手でかき分け、丹念に探す。そのせいで、ドレスの袖は泥がついてどろどろに汚れてしまった。

「どこにもないわ……」

 サリーシャは途方にくれた。
 これだけ探してないのだから、やはり池に落ちたと考えるのが自然だ。

 池の中を覗き込むと、灰色の小魚がゆったりと泳いでいるのが見えた。水底が透けて見えており、深さは五十センチくらいだろうか。そこまで深くはなさそうだ。
 サリーシャは目を凝らし、川底の端から端まで視線を移動させてゆく。この池のどこかに、サリーシャの宝物があるはずなのだ。

 どれくらいそうしていただろうか。
 サリーシャは川底の一点に、鈍く光るものを見つけて目を凝らした。深さはさほどないのだが、少し距離がある上に水もやや濁っているせいで、はっきりとは確信が持てない。

 ──なにか、棒はないかしら?