辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 
「ラウル様!」

 サリーシャはサッと青ざめてラウルに駆け寄った。ルーリィも慌てた様子で駆け寄ってくる。
 ラウルを助け起こすと、その瞳にはいっぱいの涙が浮かんでいた。

「どこか痛いですか? 怪我は?」

 サリーシャはルーリィと共にラウルの体の状態を目視で確認する。膝のあたりが土でドロドロになっているし転んだ拍子に手をついたせいで手のひらからは僅かに血が滲んでいた。大きな怪我はないように見えるが、もしかしたら膝も擦りむいているかもしれない。

「手のひらを怪我しています。お洋服も変えないと。手当に戻りましょう」
「……うん」

 痛みに耐えるように目に涙を浮かべたまま口元を一文字に結んでいたラウルは、ふと自分の両手を見つめて表情を強張らせた。

「サリーシャ様、僕……」