辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 自然豊かなプランシェ伯爵邸の庭園には、様々な小動物や小鳥が現れる。先日庭で遊ぶのに付き合ったとき、サリーシャはふと思いついて持参した望遠鏡を持って行ったのだ。ラウルは初めて使うそれをいたく気に入り、その日一日ずっと筒を覗いたまま離さなかったほどだ。

 サリーシャは持参した荷物の中から赤いベルベッドの袋を手に取ると、中から望遠鏡を取り出した。金属製の装飾が施されて鈍く光るそれを、大切に胸に抱くと、いそいそと庭園へと向かった。


***


 サリーシャが庭園へと向かうと、ラウルはいつぞやのように地面をほじくって遊んでいた。しゃがみ込んだラウルのことを侍女のルーリィが静かに見守っている。近づくと、地面に落ちた小枝や葉が折れるパキンという音が鳴る。その音でサリーシャが来たことに気付いたラウルは、笑顔で駆け寄ってきた。

「サリーシャ様、持ってきた?」
「はい。持って参りましたわ」