辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 ちょうどそのとき、トントンとドアをノックする音がした。「どうぞ」と応えると、ゆっくりとドアが開く。

「サリーシャ様。席札は作り終わったかしら?」

 ドアの隙間から顔を出したレニーナがこちらを窺うように見つめる。

「はい、終わりましたわ。これです」

 サリーシャは笑顔で頷くと、作りたての席札のカードの束をレニーナに見せる。レニーナも「よかった」と笑顔をみせた。

「では、ローラ様の分とわたくしの作った分とまとめておきたいからそれは預かっていいかしら?」
「もちろんですわ。ありがとうございます」

 サリーシャは席札を全てトレーに乗せると、そのトレーごとレニーナに手渡す。レニーナはそのトレーを両手で持つと、会釈して部屋を後にした。

 その姿を見送ってからサリーシャが部屋のドアを閉めると、すぐにまたトントンとドアを叩く音がした。

「? なにかいい忘れでもあったのかしら?」