辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 優しく微笑みかけると、サリーシャはキュッと口元を引き締めた。まるでなにかに耐えるような顔をして、セシリオを見返してきた。

「サリーシャ?」

 セシリオは戸惑った。
 てっきり、二人きりになればサリーシャは自分に駆け寄って抱きつき、甘えてくると思っていた。それなのに、サリーシャは距離を置いたまま立ち尽くしている。なぜかその表情が泣きそうにも見えたのだ。
 さっき再会したときにはあんなに嬉しそうに笑っていたのにと、妙な焦燥感のようなものにかられる。

「どうした? ここにいる間に困ったことでもあったか? 姉上になにかきつく言われた?」
「──いいえ、皆さまとても親切です。メラニー様も、色々と教えて下さって感謝しています」
「そう? ならいいのだが……」