辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 きっと、自分はメラニーからセシリオの妻として未熟であると思われているのだろう。サリーシャが女主人だと、アハマス家に泥を塗られると考えたのかもしれない。

「……ふっ……ひっく……」

 会いたい。
 会って、いつものように『なにも心配はいらない』といって、優しく抱き締めて欲しい。

 全く反論できなかった。
 セシリオの隣に立って恥ずかしくない女性になりたいはずなのに、それとは程遠い自分。それどころか、今サリーシャが求めているのはセシリオの優しい抱擁だ。

 ──本当に、わたくしはセシリオ様に甘えてばかりだわ。

 “アハマス卿もお気の毒に……”

 再びフィリップ殿下の結婚式で言われていた言葉が脳裏によみがえる。サリーシャは涙を堪えるように天を仰いだ。天井の四角い木目模様が霞んで見えた。

 ──わたくしは、セシリオ様に相応しくないのかしら。