辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「サリーシャ様、ここに来てから二週間以上が経ちました。いかがですか?」

 ゆっくりと語りかけられ、サリーシャは困惑気味にメラニーを見返した。
 ここに来て二週間。短いようで長いような気もする。可愛い子ども達を始めとするプランシェ伯爵家の面々はとても親切で優しい。けれど、セシリオとこんなに離れていることはこれまでになかったので、寂しくないと言えば嘘になる。
 うまく言葉をまとめることができずに黙りこんでしまった。そんなサリーシャを見つめていたメラニーはため息をついた。

「実はあなたのよくない噂話を、殿下の結婚式のときに偶然聞きました」

 パッと顔をあげてメラニーを見つめるサリーシャの瑠璃色の瞳は、大きく見開かれた。

「よくない噂?」

 動揺からサリーシャが掠れた声で聞き返すと、メラニーは肯定するように頷く。

「あなたがとてもしたたかな、悪女だと」