辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「本当に申し訳ありません」

 サリーシャは深々と頭を下げた。
 ここ一週間で注文ミスをするのは、これで三回目だ。
 初回は書き間違えたのかと思い、その後は二回チェックしていた。それでも前回また間違えたので、今回は紙に穴が開くほど見直した。それなのに、またしても同じミス……。他にも、メラニーの福祉施設の視察に同行するときに持っていくように任された手土産が、入れたはずの籠に入っていなかったこともあった。

「注文する前に見直さなかったの?」
「見直しました」
「見直したのに間違えたの?」
「……本当に……申し訳ありません」

 沈黙が食品庫内を包み込む。メラニーがもう一度ため息をつくのが、やけにはっきりと聞こえた。

「サリーシャ様、顔を上げて」
「はい」

 おずおずと顔をあげると、メラニーは真っ直ぐにサリーシャを見つめていた。