辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「はい、そうですわね。王宮のダンスホールは壁や天井に宮廷画家達の素晴らしい絵が飾られ、とても素敵なのです。好きな人と二人で優雅にダンスを踊れたら、素晴らしい時間になると思います」
「そうよね? わたくし、未来の旦那様に王宮舞踏会でダンスを申し込まれたいわ」

 憧れに満ちた瞳で宙を見つめるローラに、サリーシャも頷く。
 セシリオと踊ったとき、サリーシャはとても素敵な時間を過ごせた。あの逞しい腕でホールドされると、全てを包まれたかのような錯覚に陥り、世界がセシリオ一色に染まったような気すらした。

「サリーシャ様とお兄様もさっき素敵でしたわ。お兄様、わたくしやレニーナ様と練習するときは無表情なのに、サリーシャ様と踊るときは楽しそう」
「相手が変わると気分も変わりますから」
「そうなのかしら……」

 ローラは小首を傾げて人差し指を口元に当てていたが、ふいに顔をあげた。