辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 最初こそ恥ずかしがってサリーシャをホールドするのにも顔を赤くしていたが、一週間経った今ではそれもなくなった。もともと練習していたことや若さゆえの回復の早さも手伝い、サリーシャも驚くほどの上達ぶりだ。まだ長い時間は踊れないが、踊っている姿だけを見れば足を痛めていたとは思えない。

「サリーシャ様と兄上は恋人同士みたいに様になってたよ」
「こらっ、からかうな。それに、サリーシャ様は叔父上の奥方だぞ」

 にこにこするラウルに、パトリックが眉を寄せて注意する。ラウルは注意されてふて腐れたような顔をしたが、すぐに笑顔になるとサリーシャのもとに寄ってきた。

「サリーシャ様。もうダンスの練習はおしまいでいいでしょ? 外に遊びに行こう」
「ラウル。サリーシャ様はわたくしとお茶をする約束なのよ」
「姉上はさっきもサリーシャ様と一緒だったじゃないか。ずるいよ」