辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 指差す方向は池になっており、その奥にはまた木々が立つ庭園が広がっている。池の上には木々から落ちた葉が浮いており、ゆらりゆらりと川面に揺れている。
 ラウルはサリーシャが返事をする前に、トタトタと走り出した。

「お待ちください。一人では危ないわ」

 すぐに追いかけようとして、サリーシャはハッとした。あちらは小路が整っていないうえにごろごろと岩が転がっている。足を悪くしているパトリックには、行くのが辛いかもしれない。振り返るとパトリックとすぐに目があった。パトリックはすぐにサリーシャの言いたいことを理解したようで少し首を傾げると、にこりと笑う。

「俺は屋敷のまわりをのんびり散歩してから部屋に戻るから、気にしないで。また後で」
「はい、お気をつけて」

 サリーシャは軽く会釈すると、ラウルの後を追って走り出した。


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