辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「まあ。立派なカブト虫ですわね」
「サリーシャ様、知ってるの? 姉上はこれ見せるとキャアキャアいって逃げていくんだ」
「そうかもしれませんね」

 サリーシャはふふっと笑う。きっと、それが普通のご令嬢の反応だろう。

「実はわたくし、子どものころ、お友達とたまにカブトムシを闘わせて遊んでいました」
「闘わせて? サリーシャ様は変わった子だったんだね」

 ラウルは目を真ん丸にしてサリーシャを見上げる。けれど、セシリオと同じヘーゼル色の瞳は興味津々の様子できらきらと輝いていた。

「サリーシャ様は虫が平気なの? レニーナ様と一緒だね。じゃあ、いい場所があるんだよ。夜になると虫が光るんだ。昔、叔父上に昔連れて行ってもらったんだけど、すごく綺麗なんだ」
「叔父上? セシリオ様のことかしら?」