辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「そうですか。では、一緒に参りましょう」

 立ったままのサリーシャは、また昨晩のようにパトリックがよろけるのではないかと思い、椅子に座るパトリックの前に手を差し出した。
 パトリックはその手を眺めたまま、しばし呆けたような表情をした。しかし、すぐに自分に差し出されたのだと気付いたようだ。

「……ありがとう」

 小さな呟きと共に、手が重ねられる。ほんのりと赤くなった耳をみて、時々同じような反応を示す誰かさんの顔が脳裏に浮かんだ。

 ──セシリオ様の仰っていたとおり、三人とも、とてもいい子達だわ。

 サリーシャはパトリックとラウルを見つめて、にっこりと微笑んだ。


 プランシェ伯爵邸は自然豊かな庭園に囲まれている。