辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「本当はお外で遊びたいけど、兄上がまだ本調子じゃないから。ルーリィは、僕一人で外に遊びにいっちゃ駄目だっていうんだ」

 頬を膨らませたまま、ラウルは壁際に控える年配の侍女を恨めしげに見つめた。目が合った侍女が苦笑いしたので、ルーリィとは彼女のことのようだ。
 見た感じでは五十歳近いように見える。確かに、ラウルが走り回ったら、彼女はついていけないだろう。

「では、わたくしがお外にご一緒しましょうか?」
「本当? 行きたい!」
「では、このゲームが終わってから──」
「このゲームはもういいよ。兄上、途中で終わったから、これは引き分けだからね」

 ラウルはそういうと、いそいそと駒を片付け始めた。ゲームが途中で中断されて、ラウルにとってはむしろ好都合だったようだ。

「パトリック様はどうされますか?」
「俺も行こうかな。医者に、無理しない程度に歩く距離を増やせといわれているんだ」