辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「例えそのような理由があっても、辺境伯夫人であらせられるサリーシャ様にわたくし共の雑務をしていただくわけにはまいりません」
「そう……よね。ごめんなさい」

 眉尻を下げるサリーシャを侍女長はじっと見つめる。そして、少し考え込むように片手を頬に当てた。

「わたくし共の雑務をお任せすることはできませんが、お坊ちゃまのお相手をお願いできますか?」
「お坊ちゃま?」
「ええ。ラウル様はまだ遊びたい盛りですから、お相手していただけるととても助かりますわ」
「! ええ、わかったわ。わたくし、子どもの相手はよくするの。任せてちょうだい」
「はい、お願いします」

 嬉しそうに表情を綻ばせたサリーシャを見つめ、侍女長も目尻を下げた。

 そしてその十五分後、サリーシャはラウルの部屋の前に立っていた。