辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 意を決して声をかけると、中にいた屋敷の侍女達はハッとした様子でこちらを見つめ、一様に驚いたような顔をした。突然訪ねてきたサリーシャに慌てた様子だ。

「いかがなさいましたか?」
「あの、なにかお手伝いできることはないかと思って」

 サリーシャの申し出に、侍女たちはさらに目を丸くして顔を見合わせた。

「大切なお客様に、手伝いなどさせるわけには参りません」
「実はわたくし、メラニー様のお心遣いでここにはお客様ではなくてお勉強のためにきているの。居候なのにのんびりと休憩していていいのかと思ったのだけど、なにもわたくしにできる事はないかしら?」

 再び顔を見合わせる侍女たちの合間を縫うように、一人の女性がサリーシャの前へと歩み寄った。頭に付けたヘッドドレスに赤いマークが付いているので、彼女は侍女長だろうと予想が付いた。