辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 自分でそう言いながら、胸がチクンと痛むのを感じた。封を開けていたローラは手を止め、不思議そうにサリーシャを見つめる。レニーナはなんともいえない表情を浮かべ、眉根を寄せていた。

「じゃあ、叔父様とサリーシャお姉様は恋愛して婚約したわけではないの?」

 きょとんとした様子のローラは確認するようにサリーシャに訊ねる。

「恋愛してからの婚約……ではないかもしれません」

 サリーシャはセシリオに間違いなく恋をした。けれど、それは婚約してからだ。婚約してアハマスに赴いてから、一緒の時間を過ごすうちに彼の優しさに触れて、惹かれていった。

「ふぅん」

 ローラは気の抜けた相づちを打つと、持っていた開きかけの封筒をテーブルに置く。そして、トンと両手をテーブルについて身を乗り出した。

「わたくしはね、いつか恋愛結婚するの。素敵な誰かと恋に落ちて、幸せな結婚をするのよ。素敵でしょう?」