辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「ああ、なんでもありませんわ。たまたま手に取った手紙がアハマスからだったので」

 照れを隠すように手紙を胸元へと引き寄せる。その様子を横から見ていたレニーナは、サリーシャの顔と手紙を交互に見比べた。

「そういえば、サリーシャ様はどういうご縁でセシリオ様と?」

 心底不思議そうに首を傾げられ、サリーシャは言葉に詰まる。

「ああ、ごめんなさい。マオーニ家とアハマス家は今までそんなに親しくはなかったと思うのに、どうしてなのかしらと不思議に思っただけなの」

 黙り込んだサリーシャを見て、レニーナは気を害したと思ったようで、慌てた様子でそう言い加えた。

「──セシリオ様とはわたくしが小さな頃に一度お会いしたことがあるのですが……。昨年、わたくしが大怪我して嫁ぎ先がないと噂になったので、憐れに思って同情して下さったのではないかと。セシリオ様はお優しいから……」
「憐れに思って?」