辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 全部で百通くらいあり、一番多いのは領地内の有力者達だ。農家だったり、商店だったり、銀行だったり、職種は様々だった。

 次のものを、と思って封筒を手に取り、サリーシャははたと動きを止めた。手にした封筒の口には赤い封蝋が施され、見慣れた紋章が刻印されている。表を見ると、それは予想通りセシリオからだった。

 ──セシリオ様からだわ!

 自分宛ではないのだが、セシリオからの手紙だと思うと妙に胸がこそばゆい。わくわくした気分で封を開けると、丁寧に三つ折りにされた便箋を開いた。そこには参加者として『セシリオ=アハマス』、同伴者に『サリーシャ=アハマス』、そして、サリーシャが世話になるがよろしく頼むと書かれていた。

「サリーシャお姉様? どうしたの?」

 手紙を見て笑みを浮かべるサリーシャに気付き、ローラが不思議そうにこちらを見つめる。サリーシャは慌てて表情を取り繕った。