辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 プランシェ伯爵家の面々が皆いい人そうでよかったと、サリーシャは胸の内でホッと安堵の息を吐いた。
 

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 翌日から早速、メラニーによるサリーシャへの指導が始まった。

 朝食後、ローラとレニーナと共に呼び出されて向かった先は、メラニーの私室だ。
 メラニーの私室は屋敷の二階、廊下の突き当たりのやや手前に位置していた。部屋を開けるとすぐに見えるのは小さな応接セット。その奥にはセシリオが使っているのよりは一回り小さな執務机が置いてある。

 そこだけを切り取って見れば、男性的な殺風景な部屋に見えるだろう。
 しかし、やさしい色合いの花が刺しゅうされたカーテン、さりげなく出窓に置かれた装花、壁沿いのサイドボードにセンス良く並べられた陶器……。執務机がありながらも部屋全体には女性らしい華やかな雰囲気が漂っていた。