辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「あ、ああ。ありがとう。いただくわ」

 サリーシャは慌てた様子でお礼を言うと、オレンジの果実水を手に取る。その果実水を手に、ユリシアの待つ席へと歩き始めた。

「サリーシャ様、ごきげんよう──」
「アハマス夫人、こんばんは──」

 また人々が次々に話し掛けてくる。サリーシャは虚ろな瞳で彼らを見返し、軽く会釈する。

「サリーシャ様!」

 視線の先にいるユリシアは戻ってきたサリーシャに気付き、笑顔で片手を振っていた。
  

***


サリーシャがセシリオの元に戻ったとき、そこにはジョエルの他に一人の女性がいた。紺色の膨らみが少なく落ち着いたデザインのドレスを着ている。その女性と立ち話していたセシリオは、戻ってきたサリーシャに気付くと優しく微笑んだ。

「サリーシャ、ちょうどいい。俺の姉上だ。姉上、彼女がサリーシャです」