「アハマス閣下のことも、きっと殿下から紹介されたのではなくて? 殿下から紹介されたら閣下も断れないわよね。本当に、見た目はおっとりしいてるけど相当ね」
耳を塞ぎたいような辛辣な言葉の数々に、スーっと気持ちが冷え込んでゆく。飲み物を取りに行くには、彼女達の後ろを通りすぎなければならない。
噂好きな貴族の世界で、陰口はつきものだ。これまでも、様々な人に対するたくさんの陰口を耳にしてきた。
聞き流せばいい。そう思ったのに、内容が内容だけにサリーシャの足は床に貼り付いたように動かなくなった。
「アハマス閣下も、お気の毒に──」
ご令嬢の一人が、ため息混じりにそう発する。
ドクン、と心臓が跳ねた。
──と、そのとき、凛とした女性の声が響いた。
耳を塞ぎたいような辛辣な言葉の数々に、スーっと気持ちが冷え込んでゆく。飲み物を取りに行くには、彼女達の後ろを通りすぎなければならない。
噂好きな貴族の世界で、陰口はつきものだ。これまでも、様々な人に対するたくさんの陰口を耳にしてきた。
聞き流せばいい。そう思ったのに、内容が内容だけにサリーシャの足は床に貼り付いたように動かなくなった。
「アハマス閣下も、お気の毒に──」
ご令嬢の一人が、ため息混じりにそう発する。
ドクン、と心臓が跳ねた。
──と、そのとき、凛とした女性の声が響いた。



