彼女達とは特に親睦を深めていたわけでもなかったが、懐かしさを感じたサリーシャは笑顔で声を掛けようとした。しかし、その笑顔はすぐに消える。
「ねえ、お聞きになった? ユリシア様はロッシーニ伯爵家のカルロ様とご結婚されたみたいね」
「聞いたわ。伯爵家嫡男なら上手くやったって感じよね。カルロ様はまだお若いし、見た目も悪くないし、大当たりではなくて? それに引き換え、オデット様はあの老人伯爵よ? 本当にお痛わしい」
「本当に。したたかと言うか──」
扇を手にこそこそと囁き合うご令嬢達の会話を聞いたとき、サリーシャは強い不快感を覚えた。
先ほどの照れたように笑うユリシアの様子を見る限り、爵位を目当ての結婚ではないことは明らかに思えた。彼女達に一言もの言おうと思ったとき、サリーシャは動きを止めた。自分の名前が聴こえてきたのだ。
「ねえ、お聞きになった? ユリシア様はロッシーニ伯爵家のカルロ様とご結婚されたみたいね」
「聞いたわ。伯爵家嫡男なら上手くやったって感じよね。カルロ様はまだお若いし、見た目も悪くないし、大当たりではなくて? それに引き換え、オデット様はあの老人伯爵よ? 本当にお痛わしい」
「本当に。したたかと言うか──」
扇を手にこそこそと囁き合うご令嬢達の会話を聞いたとき、サリーシャは強い不快感を覚えた。
先ほどの照れたように笑うユリシアの様子を見る限り、爵位を目当ての結婚ではないことは明らかに思えた。彼女達に一言もの言おうと思ったとき、サリーシャは動きを止めた。自分の名前が聴こえてきたのだ。



