辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 サリーシャはちらりとジョエルと話をしているセシリオを見た。すぐにサリーシャの視線に気付いたセシリオは小さく頷いたので、行ってもよいということだろう。

「では、是非」

 サリーシャは笑顔で頷いた。

 王宮の大きな舞踏会の会場には、壁際の一画にテーブルと椅子が並べられた場所がある。その一つに、サリーシャとユリシアは腰をおろした。

「改めて、おめでとうございます」
「ありがとうございます。サリーシャ様もおめでとうございます」
「たしか、カルロ様とは幼なじみと仰ってましたわよね?」
「そうなのです。小さい頃から一緒でした」

 ユリシアは嬉しそうにはにかんだ。そして、自分たちの周りを見回して誰も聞いていないことを確認すると、少しサリーシャの方へ体を寄せた。

「──今日このような日にこんなことを言うのはどうかと思うのですけれど……」

 と、ユリシアは前置きしてから小さな声で囁く。