辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「まあ、ユリシア様! お久しぶりにございます!」

 久しぶりに会うその人に、サリーシャは表情を明るくした。
 伯爵令嬢だったユリシアはフィリップ殿下の有力な婚約者候補の一人だった。それ故、色々な舞踏会でよく顔を合わせた。
 マオーニ伯爵に言われてあまり他のご令嬢と親しくしないようにしていたサリーシャだったが、そんな中でもユリシアだけは何かと気が合い、よく言葉を交わす相手だったのだ。

「今、どうされているのです?」
「わたくしもつい先日、結婚いたしましたの。ロッシーニ伯爵家のカルロ様と」
「まあ、おめでとうございます!」

 ロッシーニ伯爵家とは、可も不可もないごくごく普通の伯爵家だ。王都から少し離れた場所に、そこそこの領地を持っている。

「サリーシャ様、せっかくですから向こうでゆっくりお話しませんこと?」