辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「それはよかった。こんなことでよければ、お安いご用だ。明日もあるし、さっき帰り際にフィリップ殿下と話した時には『今日、明日だけでなく、ちゃんと二年に一度以上王宮舞踏会に参加しろ』と釘を刺された。最低でも二年に一度は踊れる」

 渋い顔をして肩を竦めて見せたセシリオを見上げ、サリーシャは表情を綻ばせた。明日も楽しい日になりそうだ。

 フィリップ殿下の結婚式は三日三晩続く。
 三日目の晩、サリーシャは前日までと同じような気分で舞踏会に参加した。しかし、実際には少し違っていた。

 最初はセシリオにエスコートされながら、昨日のように次々と話しかけてくる人を彼がかわしているのを苦笑気味に見ていた。その空気が変わったのは、主役であるフィリップ殿下とエレナが入場した時だった。

 ざわっとざわめきが起きて周りの空気が変わる。