辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「閣下のダンスはちっとも下手ではありませんわ。わたくしが緊張していたのは、小さい頃からの夢が一つ叶うからです。ドキドキを抑えられませんでした」
「小さい頃からの夢?」
「仕掛け時計の人形のように、皆の前で大好きな人と踊るのです」

 セシリオの目が驚きで見開かれ、照れたようにほんのりと耳が赤くなる。「そうか」と、ぼそりと呟く声が聞こえた。

 ──この人は……、本当に愛しい人だわ。

 緊張していた気持ちがふわりと軽くなり、ほんわかとした気分になる。すると、固かった動きも滑らかになり、足もスムーズに動き出した。クルリと回りながら、サリーシャは満面に笑みを浮かべる。目が合うと、セシリオはサリーシャを見つめて優しく微笑んだ。

 ──楽しいわ。