辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 そう言うとセシリオは視線を宙に浮かせ何か考えるような仕草をしてから、またサリーシャを見つめた。

「もし上手く踊れなかったら、全部俺のせいにすればいい」
「え?」
「きみはよく王宮の舞踏会に参加していただろうから、きみが上手にダンスを踊れることは皆よく知っているだろう? 俺が人前でダンスを披露するのは……──そうだな、よく覚えていないが、本当に久しぶりだ。だから、俺が壊滅的にダンスが下手なことにしておけば大丈夫」

 サリーシャはきょとんとしてセシリオを見上げた。セシリオは器用に肩眉を上げる。『いい考えだろう?』とでも言いたげな表情に、サリーシャは笑いがこみ上げてきた。
 どうやら、セシリオはサリーシャが上手く踊れないことを心配して緊張していると思ったようだ。フォローの仕方が何ともこの人らしいと、胸がこそばゆくなる。