キラキラと輝くイルミネーション。


中でも1番綺麗なのはショッピングモールに飾られた大きなツリー。



飛び抜けた存在感を醸し出すツリーが、白、青、赤……順番に点灯して幻想的な世界に連れていってくれる。


「綺麗……」


周りはカップルだらけだけど、こうやって友達と来るのも悪くないかも……。




ほぉ〜っとすれば白い息が出る。


「琴乃、今日はありがとう」

イルミネーションを見つめたまま、あたしはそう言った。


「え?」

「たぶん、あたし1人だったらいろんなこと考えてたと思う」



颯真には結局、

『電話に出れなくてごめん、お風呂に入ってた』

『全然大丈夫だからあたしのことは気にしないで。また今度会おう』

って嘘をついた。


返事は来なかったんだけど。