「送る。」

そう言って、私にヘルメットをつけてくれバイクに乗せてくれた。

「しっかり、捕まって」

そう言って、彼は私の腕を取って、自分の方に引き寄せた。
彼の背中は温かくて、私は思わず、顔を背中に擦り寄せた。

本当はすごく嬉しかった。
守ると言われて、嬉しかった。
でも、私の心は、それを受け入れることができなかった。

「ごめんね」

そう呟いた。彼に聞こえたのかはわからない。
でもこれが私の今の正直《ほんと》の気持ちだった。