「ごめんなさい。私は姫にはなれない」

申し訳なくて、私は、下を向いてしまった。

「いいんだよ。俺たちもそんなにすぐ、いい返事が返ってくるなんて思ってないしさ」

そういう樹君に、みんなもうんうんとうなづいた。

「もうこんな時間か、そろそろ帰るか。」

そう言い、如月君は私の手を引いて出た。

「じゃあねー」
「バイバイー」
「またきてねー」
「またな。」

そういう声が後ろから聞こえるけど、私は

「うん、。」と聞こえたのかも分からない小さな声で返事した。

“また“なんて言ってくれるんだ。もうここに来るのも最後なのかと思ってた。

2階から出ると、行きと同じように、声をかけられていた。
如月君は、すごいんだな。

みんな如月君を見る目が輝いてた。
でもそれと同時に、やっぱり、彼は私と違うんだ、そう思った。