屋上に着くと、そこにはやはり統牙がいた。

でも、
いつもと違ったのはそこには女がいたことだった。正確には統牙の腕の中に。

女嫌いな蓮は、

「マジかよ」女がいることに気づいて、教室に帰ろうとしていた。
しかし、俺はそれを止めた。

統牙は今まで見たことないほど優しい顔をしていた。
蓮も驚いたようだった。

そして、もう一つ驚いたのは、統牙が大事そうに見つめるその子は、冷姫と呼ばれる子だった。誰も寄せ付けない。冷たい、でもその姿はとても美しい。


だが、ずっとこのままでいるわけにもいかず、

「おい、統牙!」

そう俺は呼んだ。