「いいえ。
 ところで、さっき、アイツらに言った言葉は嘘?本当?」
「なんのことですか?」

「『好きなんだからチョロチョロします。』ってやつ。」
「あー、あれは、ピアノが好きだってことですよ。」
誤魔化そうとしたが、できてない。

「なんだ。そうなんだ。残念。
 俺は、奏が好きなんだけど。」
ストレートに言われ、胸が、ギューッとなった。

「ごめんなさい。嘘つきました。
 川島先輩が好きです。だから、周りをチョロチョロさせて下さい。」
「変な告白。」
笑われた。そして、額にキスされた。