「川島先輩は、なんでピアノ弾くようになったんですか?」
「あー、うちの親がピアノの先生で、やらされてた。すげー嫌だった時期があって、やめた。楽譜通りに弾きたくなくて。
 でも、音楽室なら誰にも邪魔されずに、自分の好きな曲を弾ける。だから、時々弾くようになった。」
「そうなんですね。すごい。
 いろんな曲作って、もっといろんな人に聞いてもらえばいいじゃないですか。

「俺、そういうの嫌い。」
「でしょうね。(笑)」
2人で、笑った。

川島くんが自宅付近まで送ってくれた。
「ありがとうございます。バイバイ。」
「おぅ。」
帰って行くのを見送った。