私にはそれ以外の断る理由を見つけられなかった。

 久しぶりの水族館、それだけでワクワクしてしまう。

 それに護と行けたら楽しそう。

 そう、私は、行きたい、のだ。

「行こう…かな…」

 ポツリと口からこぼれた。

「よっしゃ!」

 護がガッツポーズをするのを見ていると、私までうれしくなってしまう。

 そこで、すかさず護が言った。

「分かってると思うけど、これ、デートだから」

 で、デート??

「オッケーしてから、そんなこと言うのって、ズルくない? 後出しジャンケンはダメでしょ!」

「ズルくない! 2人だけで水族館なんて、デートだって分かりきってることだろ。念のため言っただけ」

 そうなの??

「だまされた気分なんだけど…」

 私の不満を無視して、護は上機嫌だった。

「水族館デート、楽しみだなー!」