でも、今は事情が違う。玲奈の本気の恋心をもらいに行っている。

 一昨年と昨日は真剣に口説いたつもりだ。

 正直、幼なじみを口説くなんて、こっ恥ずかしい。

 やったことはないけれど、ナンパする方が、ずっとずっと勇気もいらなくて簡単だと思う。

 そんな恥ずかしさにも必死で耐えているのに、玲奈は村田と仲よくなっていただなんて、ショックだ。

 モジモジしている玲奈を、つい恨めしく見てしまう。

 でも、このモジモジは、さすがにオレの前だけだよな??

 そう思うと、少しリュウインが下がった。

 玲奈が、オレの目線に気づいた。

「そんなにこっちを見ないで。ちゃんと前見て歩かないと危ないよ」

 『それに、恥ずかしいでしょ』って空耳が聞こえてきそうだった。