もう3日連続だ。オレが待っているのは想定内だったらしい。

「じゃあ、また明日ー」

 オレを確認すると、玲奈といっしょだった女子たちは、足を止めた玲奈を残して、さっさと帰っていく。

 玲奈はうつむきかげんに、こっちを見上げた。

 昨日、攻め過ぎたか?

 いいや、そんなことはない! 恥ずかしがってる、オレの幼なじみ、最高ーーーっ!!

 『帰ろっ』って言って、手を出してみたくなった。

 でも、大勢の生徒の目がある、この状況じゃあ、玲奈は手をつなげないだろうな。

 オレもそれは恥ずかしい。

 だから、『帰ろっ』って言うだけにとどめた。

 玲奈が、コクンとうなずく。

 うぬぼれでも何でもなくて、玲奈の態度と表情から、玲奈がオレのことを好きになりかけているのが読める。

 だからこそなおさら、なぜ村田と約束なんかしたのか、とイラ立った。