「それが本当なのよ。そうよね…急にそんなこと言われたって、信じられるわけがないわよね。お母さんも、おじいちゃんから呪いについて初めて教えられたときには、今の玲奈と同じ反応をしてしまったわ」

「…おじいちゃんもお母さんも、大きな病気とかしてなくて、健康そのものだよね」

「そうね。おじいちゃんは血圧が高くて、塩分に気をつけないといけないし、お母さんは肩こりがツラいけど、健康の範ちゅうに入ってると思うわ」

「食事や住む場所に困ってはないし、まあまあ幸せだよね」

「そうね。家族の仲もいいし、まあまあどころか、お母さんは胸を張って『幸せ』って言えるわ」

「それじゃあ、呪いなんてかかってないんじゃない? …はっ! おじいちゃんがハゲてるのって…」

「ブー! お母さんはフサフサでーす」

「分かんないよー。やっぱり呪いなんてウソなんでしょ」

 お母さんが真剣な顔に戻った。首を横に振る。

「そうだったらよかったのに…。今から説明するから、きちんと聞いて。私たちにかけられてる呪いっていうのはね…」

 お母さんが呪いの内容と、その呪いがかけられた原因について話し始めた。