お母さんが深呼吸をした。

 何だろう?

「…そろそろ、玲奈にも話しておく時期が来たのかもしれないわ」

 突然、お母さんが険しい顔になった。

 こういう前振りされると怖くなるじゃない…。

 私は思わず身構えた。

「急に何よ、お母さん。なんか不吉な予感がするから、聞きたくない。無理に話してくれなくてもいいよ」

「いいえ、聞いて覚悟をしておいた方が、そのときになって傷つくよりも、断然いいと思うの」

 傷つく? 私が?? 一体、なぜ???

 頭の中が、クエスチョンだらけになってしまった。

「実は、玲奈も、お母さんも、お母さんのお父さん、つまり、おじいちゃんも、呪いをかけられているのよ。代々、続く呪いを…」

「はあ? 呪い?? お母さん、そんなナンセンスなウソ、誰も信じないよ」

 半笑いが出てしまった。

 だって、大の大人が真剣な顔して『呪い』だよ?