私のクラスの女子たちも、そのウワサが真実かどうか確かめるために、わざわざ休み時間をつぶして2組まで行った。

 そして、戻ってくると、口をそろえて『本当だった』と報告してきた。

「ねー、玲奈もいっしょに見に行こうよー」

「本気でヤバいぐらいカッコいいから、あれは見る価値あるよー。目の保養になる。思い出すだけで、ため息が出そう、はあ」

 誘われたり、勧められたりしたけれど、私は最後まで行かなかった。

 だって、護を見るために、2組まで行くなんて、おかしいもん。私は黒歴史を作りたくないのだ。

 それに何より、ひいおじいちゃんを亡くしたばかりの護に会うのが怖かった。

 こういうときって、何て声をかければいいの? 『この度はご愁傷様です』? それとも、『お悔やみ申し上げます』?

 ううん、どっちも私が護にかけるにはふさわしくない言葉だ。それだけは分かる。