『めちゃくちゃカッコよくなって登校してきた』と言うのだ。

 それを見た女子たちは、色めき立ったらしい。

 あの護が? ありえないでしょ…ううん、ありえる…のかも…。

 確かに、素材自体がいいのは認めようじゃないの。

 護が本当はカッコいいってことは、たぶん私だけが知っていた。

 でも、それを台無しにしてしまう、あのセンスの無さと言ったら…。

 あの髪型とメガネに、みんな、完全にだまされて、護の素顔までは見ていなかったんだと思う。

 私は、『本当にカッコいいんだって!』と、興奮気味に話す友達を前にしながら、夏休みの終わり頃、伸びきってしまった髪にワックスを付けて、メガネを外していた護を、ぼんやりと思い出した。