ひいじいさんの母親、つまり、ひいひいばあさんが呪いをかけた犯人らしい。

 ひいひいばあさんは、玲奈のひいひいじいさんと婚約していた。それなのに、『別の人と結婚したいから』と、一方的に婚約破棄されてしまったそうだ。

 この辺りの話は、玲奈から聞いていた話とよく一致した。

 オレは、玲奈から呪いについて聞かされたとき、信じてやらなかった。

 悪かったなーと思った。だって、オレの先祖が張本人だったんだ。

 婚約破棄されたのは、大正時代。

 婚約者に逃げられて、田舎の小さな村でいい笑い者にされたひいひいばあさんは、もう縁談なんて来ないんじゃないかと絶望したらしい。

 その悔しさと怒りから、あんな呪いをかけてしまった、ということらしい。

 でもその後、いい縁があって、オレのひいひいじいさんと結婚した。

 ひいひいじいさんは、どうやら愛妻家だったようだ。

 夫に大事にされて、子宝にも恵まれて、幸せいっぱいの日々を送っていた…そんなある日、自分がかけた呪いのことを思い出して、青ざめた。

 それで、息子である、ひいじいさんに、前田家にかけてしまった呪いを解く方法を教えて、その解除をたくした。