あやかし戦記 千年前の涙

アサギに修行をつけてもらえると知り、カスミは一層嬉しそうになる。その様子を見て、ツヤも修行をしたくなり、皿に残っているご飯を勢いよくかき込んだ。

「あたしも一緒に稽古したい。体術訓練もやるんだろ？」

「先にカスミの稽古をつけてからになるけど大丈夫？それでもいいなら構わないわよ」

アサギに許可を貰い、ツヤは休日をアサギとカスミの三人で過ごせることに拳を握り締め、喜ぶ。ミツヒデにアサギが連れ出され、夕方まで帰ってこない日が多いからだ。

「ごちそうさま。洗濯をしてくるよ」

食器を台所に運んだ後、ツヤはアサギにそう言って外へと出る。外に出る際、まだ食べているミツヒデに睨まれたが気にすることはなかった。



洗濯物を洗い、竹で作られた物干し竿に洗濯物を干し、ツヤが一息つくと庭から物音が聞こえてくる。庭を除けば、アサギとカスミが向かい合い、手から白い糸のようなものを出して攻撃し合っていた。

アサギは呪術師の家系に生まれ、今でも頼まれれば妖を倒しに行く。カスミにも呪術師の才能があり、アサギが稽古をつけていた。