クソピと共に店を追い出されて、ひとまず人目を避けて人混みのない方へフラフラと歩き始めた。


「あっぶねー。注意で済んでよかったわー。俺たち目立つんだなぁ。」

「窓際でおっぱじめたら誰でも見るだろうけど」

「あはは、たしかに」

「『たしかに』じゃねーよ。俺の唇返して」

「ごめんごめん。わかりやすいかと思って、つい。」


もしかしてこの人、男も女も関係ないの?

店じゃなかったらあのまま101人目になってたんじゃ?こーわ。





「…その優花ちゃんて子、どんな子なの?」

クソピが自分の爪を気にしながら興味なさげに聞く。


「…いつもヘラヘラしててアホっぽい。」


「ふーん。で?」


「ちっこくて…ピンクが好き。あ、料理がうまい。」


「ふむふむ。そんで?」


「色が白くてぷにぷにしてて…恥ずかしくなると茹で蛸みたいになる。」


「あとは?」


「天パを気にしててトイレに行くたび一生懸命直してる。」


言ってるうちにその場面を思い出して、なんか、


「何も考えずヘラヘラしてるように見えて、実は人一倍気遣ってて…陰でバレないように泣いてたりする。」


…会いたくなってくる。



「…すごい好きなんだ?」


「……うん。大好き。」




だから、

大事にしたい。