「…優花。何してるの?」


「今はそっとしておいて美琴」



美琴が首を傾げるのも無理はない。



1時間目の授業が終わってみんなが楽しく休み時間を過ごす中、私は地震でもないのに机の下に避難してる。



ガラッと音を立てて教室の扉が開いた。



「あ、唯」


「!」



キョロキョロしながら唯くんが美琴に近寄る。

「アイツいる?」


「優花?うん。ここに…あれ?」


「…」








ッセェーーーーフ!!






瞬時に教室から避難した私は、
みんなに訝しがられながら廊下側から中の様子を伺う。

気持ちはくのいち。
『女』と書いて、くのいち。

そこへ通りがかるクラスの男子。

「羽根村?そこで何し…

「し!!今任務中だから!!」


人差し指を立てて注意すると、何コイツ?という目で返される。

それを無視して任務を遂行すべく、ササササッ、と低姿勢を保持して教卓の下へ隠れる。







私は今、逃げている。


唯くんから。


全力で逃げている。





まさかの告白を受けたあの日から、今日で3日目。





私は…ずっと逃げてる。





考えれば考えるほど、

気持ちがぐちゃぐちゃになっちゃって、整理できなくて。






「優花」


「!」


ゴン!


「アテ!」