連れて行かれたのはやはり救急外来。
広い処置室の中の一角に私を乗せたストレッチャーが運ばれた。
「どうですか、どこか痛いところはありますか?」
若い男性医師が私の状態を確認しながら、問診をしていく。
「あの、本当に大丈夫ですから」
完全に私の不注意で、出来ればすぐにここから消えたい。
ん?
なぜか背後から視線を感じて、頭だけ振り返った。
あぁー。
同じ処置室のベット2つ向こうに、敬がいた。
そりゃあそうよね。
ここは敬の職場なんだものいて当然。
「どうしました?」
「いえ」
敬の方をじっと見ている私を不思議そうに見つめる男性医師。
そうこうしているうちに、敬が私に近づいてくる。
ドクン、ドクン。
具合が悪いわけでもないのに高鳴る心臓。
その時、
「杉原先生、お願いします」
敬の後方から声がかかった。
声をかけたのは、さっき泣きそうな顔をしていた女医さん。
「あ、あぁー、はい」
それでも1歩2歩と私に近づいた後、敬は足を止めた。
「杉原先生、5分後に多発外傷の患者が搬送されてきますがお願いできますか?」
別の医師からも声がかかる。
「わかりました、準備します」
敬はもう一度私を見てから軽く肩を落とし、診察に戻って行った。
広い処置室の中の一角に私を乗せたストレッチャーが運ばれた。
「どうですか、どこか痛いところはありますか?」
若い男性医師が私の状態を確認しながら、問診をしていく。
「あの、本当に大丈夫ですから」
完全に私の不注意で、出来ればすぐにここから消えたい。
ん?
なぜか背後から視線を感じて、頭だけ振り返った。
あぁー。
同じ処置室のベット2つ向こうに、敬がいた。
そりゃあそうよね。
ここは敬の職場なんだものいて当然。
「どうしました?」
「いえ」
敬の方をじっと見ている私を不思議そうに見つめる男性医師。
そうこうしているうちに、敬が私に近づいてくる。
ドクン、ドクン。
具合が悪いわけでもないのに高鳴る心臓。
その時、
「杉原先生、お願いします」
敬の後方から声がかかった。
声をかけたのは、さっき泣きそうな顔をしていた女医さん。
「あ、あぁー、はい」
それでも1歩2歩と私に近づいた後、敬は足を止めた。
「杉原先生、5分後に多発外傷の患者が搬送されてきますがお願いできますか?」
別の医師からも声がかかる。
「わかりました、準備します」
敬はもう一度私を見てから軽く肩を落とし、診察に戻って行った。



