見ればちょうど脂の乗った歳頃の、割りと好みのタイプ。だけど匂いがする。・・・馴染みのある匂い。嬉しそうに駆け寄ったウサギちゃんは知ってるのかな、ソッチノヒトの方がよっぽど怖そうだよ?

オオカミ青年らは、現れたカレに一瞥されて呆気なく退散してった。助けたってホドでもないのに、カノジョに何度もお礼を言われてかえって気恥ずかしい。

「だから待ち合わせなんざ止めとけって言ったろ」

「だってせっかくのクリスマスですし、一度してみたかったんです~」

「・・・二度はカンベンしてくれ」

半べそかいてる純情そうなウサギちゃんの肩を抱くと、億劫そうに溜め息吐いたイケオジは、去り際にあたしに艶っぽい横目を流して口角を上げた。

「助かった、お嬢ちゃん。ま・・・相手はよく選びな」

それってさ、修羅場をくぐったコトのある人間にしか吐けないセリフ。こんな夜だから会えたのかな。懐かしいあの頃に似た二人に。