ばばぁ?

口の聞き方、教えてあげよっかーオネエサンが。

「まあでも、サービスしてくれんならオバサンでも我慢すっかな~」

下卑た笑い声を上げながら、あたしの肩に腕を回してきた金髪頭の手首をぐっと掴むと、そのまま回すように返してすんなり外す。

「・・・痛ってェ!」

しかめっ面が般若に一変したのを、ウサギちゃんを後ろに庇いつつ、急所を蹴り倒そうかと構えた瞬間。

「ナンだか賑やかだな」

低めのハスキーボイスと一緒に、黒いコートの中も黒い男があたしを見下ろして立ってた。