スマホをポケットに仕舞い、ゆっくりその場から歩き出す。カツンコツン、ブーツのヒールを響かせて。

「そんなコト言わずにさ、行こーよ~」

近付いてくと、思ってたより身長もある二匹のオオカミ。餌食にされかかってるウサギちゃんは待ちわびてる誰かを探して、怯えたように瞳を彷徨わせてた。

「本当にけっこうですから・・・っ」

それでも気丈に拒絶したところで、黙って彼女と二匹の間に割って入ったあたし。

「オニーサン達、お呼びじゃないんだってー。他を当たってくんないかなー?」

あくまで平和的に。にこやかに。相手は悪そうに笑い、いやらしそーに目を細めた。

「オレ達もババァはお呼びじゃねーんだけどなぁ?」