「あははっ! それで結局、夜中2時まで書いちゃったんですか!」

次の土曜日、駅前で落ち合った真昼ちゃんは、私の話を聞いて笑った。

「よくやっちゃうんだよね……。
書いているうちにテンション上がって寝付けなくなっちゃって。
翌日、優星くんに『クマができてるよ』って心配されちゃった」


それだけじゃない。

国語の授業中に居眠りしてしまって、佐原先生に丸めた教科書で小突かれた。

『光峰……俺の声は、そうも安眠できるほど聴き心地が良いか?』と佐原先生は穏やかな声とにこやかな笑みで尋ねてきたが、目が笑ってなかった。

クラスメイトみんなが一斉にこっちを向いてクスクス笑ったし、

『優等生の光峰さんでも居眠りするんだ』って、授業後に優星くんにからかわれたし、

陽菜には、『佐原先生、確かに低音でめっちゃいい声してるもんね〜』と、的外れなツッコミをされた。


うぅ……恥ずかしかった。

今度こそ……今度こそ! 小説書くのに夜更かしはしないようにしよう。